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戸井線跡

10 11, 2012 | 北海道の廃線



函館市の東にある、汐首岬。
北海道と本州の間の最短地点になります。

その汐首岬の高台に、大きなアーチ橋梁があります。
戦時中に計画・着工されたものの、未成線のまま残されている、
戸井線の跡です。



青森の幻の大間線と同じく、函館~戸井間の軍事輸送目的でS12年に着工、
しかし物資不足等からS18年に工事が中断。
終戦をむかえ、そのまま工事が再開されることはありませんでした。




戸井線は、海岸沿いの急峻な斜面に敷かれています。
路盤を確保するために、アーチの陸橋になっている区間もあります。

物資不足の戦時中に建設されたため、粗末な筋骨材しか使用されておらず、
アーチ橋梁群に強度はないと言う話です。




未成線として終わった戸井線ですが、
海岸沿いの崖の上というポジションを生かして、
遺構は今では、地元の人達の津波避難所に指定されているようです。
軌道の所々に非常階段が設置されており、
万が一の時は、路盤上へと非難できるようになっています。

↑こちらのアーチ橋梁は、綺麗に改修されていますが、
たぶん避難場所としての使用に耐えうるようにしたのでしょう。




トンネルも幾つか残されています。




非常階段のひとつを登らせていただいて軌道跡まで上がり、
トンネルに近づいてみました。
草が目線の丈まで生い茂っており、これ以上近づけません。




海岸と軌道との高低差がかなりあります。




このアーチ橋梁には、蓬内橋という名前があるそうです。
この橋は他の橋梁と違い、生活道路として利用されています。




蓬内橋の上は欄干も設置され、車も通れます。
しかし老朽化で崩落の危険があるため、解体が決定したそうです。




汐泊川に残る、戸井線の橋脚。




橋脚から先の路盤は、生活道路として使われていました。



['11.7 北海道函館市にて]
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