落石無線電信局跡
03 28, 2012 | 北海道の軍事遺構

根室市の外れにある落石岬。
落石の漁村から岬へと向かうダートの途中に、
コンクリの遺構が残っています。

この遺構は、M41年の開局からS34年まで、
太平洋を航行する船舶の通信基地として役目を果たした通信局の跡です。

「落石無線電信局跡」という碑と、「落石無線送信所跡」という碑が並んで立っており、
どちらがこの遺構の正式名称なのか分かりません。
まぁ、どちらでもいいのですが。

建物をぐるりと周ってみましたが、鉄の扉が施錠され、
ガラス窓も一切無く、
中をうかがうことができませんでした。

玄関らしき鉄の扉には、アーティスティックな表札がかかっています。
住居にはとても思えないので、
アトリエやギャラリーとして流用されているのかもしれませんが、
人の気配は全くありません。

窓は、あとからコンクリで埋めたのか。
それとも、最初からこういう、窓の無いデザインなのか。
それも分かりません。

2~3ヶ所だけ、窓があります。
しかしガラス窓ではなく、鉄の観音扉で堅く閉ざされています。
まるで、内部への光の進入を頑なに拒んでいるかのようです。

建物の周辺には他にも、
住居跡と思わしき基礎跡や、門らしきレンガ積みなどが残っていました。

草むらの中に、ボルトアンカーも残っていました。
アンテナ塔の跡でしょうか。

落石岬周辺は民家が少しあるものの、手付かずの自然です。
遺構周辺ではエゾジカやキタキツネが、人間を恐れることなく、
悠々と散歩しています。
['11.7 北海道根室市にて]
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